Archive for 6月, 2008

6月 21 2008

5月の恋

Published by under 華流

中国・台湾合作

映像を観ていると合作だということが理解できるのです。
まったく映像方法が異なっており、違う映画を観ているものと錯覚してしまう。

中国ハルピンにあるという古びた建物ながら歴史を感じさせる演劇学校。
近代的な大都会台北を中心に活躍するミュージシャンとその弟の住むマンション。

 主演のチェン・ボーリンは、なんともうだつの上がらぬ青年。もさいヘアーに甘々の籠もった話し方。優柔不断でもっとシャキッとしろと怒鳴りたくなる。しかし、眼光鋭く凛々しい雰囲気もあったり、キレたら何をしでかすか分からない現代青年のそのままの姿を投影している。堂本剛を彷彿させる彼は、またそこが現代少女の母性本能をくすぐり受けている要因なのでしょう。

 一方、イーフェイの心の冷たさと暖かさが印象に残るのです。演劇仲間では何隔てなく楽しく振る舞うが、そこは多くの同世代の者から選り抜かれたエリート集団。その自負と誇りとを糧に日々の鍛錬に勤しむ少女。偽物ボーリンを見やる冷たく軽蔑した視線。それがまさにそれなのだ。でも、ところどころに現れる優しさ。廃線の谷に掛かる石橋。そこを命の危険を賭してまで渡ろうとするイーフェイ。しかし、足がすくんで途中で立ち往生したボーリンにそっと手を差し出すときの厳しい中にも慈愛ある表情。。
メイキングを観ると、実際、小心者のイーフェイはかなり怖がって撮影に臨んでいたとボーリンが語っております。また、『神鵰侠侶』のメイキングであろうか、撮影の合間に可愛い子ヤギであったかを抱かしてもらったときのあどけない姿がありました。

 スターである自負心と日々努力しているという自信から醸し出される冷徹な印象と深いところに彼女が持っている優しさと慈しみとが自然に醸し出された映画となっております。

中盤で中国本土と台湾の歴史的悲劇が盛り込まれて、映画を締めていますが、若者にとってはそこは、重たく、また、中年以降には青年の軽い描き方について行けず、どっちつかずで名作になり損ね佳作といえそうな映画となっております。

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6月 20 2008

華流(ファーリュウ)

Published by under 華流

 古くは、シリアスなブルース・リーや愉快なキョンシー映画、楽しいジャッキー・チェンや『少林寺』の超人ジェット・リー。最近ではSFXな少林サッカーなど香港を中心としたエンターテイメントな映画の作品群は荒唐無稽ながら心の底から楽しましてくれた。
 ところが、或る深夜に『初恋のきた道』という中国製作らしき映画を観たのです。

就寝しようと何気なくつけたBS。
観るともせずに見やった画面。
それが素朴でありながら情感溢れる素晴らしい作品についつい見入ってしまいました。
そして、数日経っても全部を観たい衝動が冷め遣らず、ついにはアマゾンで購入することになりました。
大概の映画は、一度観れば飽きがくるものですが、広大美麗かつ寒暖厳しい中国の大自然を背景にチャン・ツィイーの演技に魅せられました。
そう、何度観ても、その都度新たな感動を抱かせてくれるのでした。
そうこうして、知らず知らずのうちに中国名作映画を鑑賞する旅へと誘われて行きました。

『初恋のきた道』
『山の郵便配達』
『あの子を探して』
『グリーン・デスティニー』
『さらば、わが愛 覇王別姫』
『活きる』
『至福のとき』
『龍城恋歌』
『故郷の香り』

等々、これら名作をほぼ毎月購入し鑑賞致しました。

 同時期に、CSのNECOチャンネルで『射鵰英雄伝』を放映していることを知りました。シリーズの途中からではありましたがそれなりに面白く、ときどき観るようにしておりましたが結局話しの筋を掴めないまま、終わってしまいました。そして、同じような武侠ドラマが続いて放送されて、ついには亡失の彼方へ消えてしまったのでした。
 ところがつい最近、TSUTAYAのオンラインDVDレンタルが開始され、8枚無料とのこと。試しに何か借りようかと試行錯誤の上、

『射鵰英雄伝』
『神鵰侠侶』
『天龍八部』
『碧血剣』

 のそれぞれDVD第一巻目をレンタルして鑑賞しました。
そこで、以前より少し観ていた『射鵰英雄伝』を全巻鑑賞。つづいて続作である『神鵰侠侶』を2~3巻をレンタルしたところで、余りの面白さに衝動的にBOX1、2を購入してしまったのです。

とくに『神鵰侠侶』には何度泣かされた事でしょうか。
オープニングテーマが良い。
当時、実年齢17歳の小龍女。
少女から大人の女性への過渡期のガラスのように繊細で壊れそうな美麗さ。

↓<厭世的な小龍女。世間を知らないがために饅頭事件が起きてしまいます>

 

↓<少し大人になったイーフェイのライブ>

 

↓<日本でも「イーフェイ」名でデビューしていたんですね。
『真夜中のドア』のMV(『真夜中のドア』といえば数十年前に松原みきちゃんが歌っておりました。
このイーフェイの曲をそれだと思って視聴してがっかりした記憶があります。
中国古典的美貌をしてそれに特化されたTVシリーズでブレイクした彼女。
しかし、現代的な彼女もよろしいですね。ただ、印象は薄いのが残念)>

 

 

愛別離苦の壮絶な苦しみに悶え苦しみながらも立派な大人へと成長して行く楊過。

<郭襄の願いを叶える楊過、少しはにかんだところが女性の心を揺さぶるのだろう>

 

大武侠、英雄郭靖。
絶対的に頼りになる大策士、黄蓉。

少女にして大武侠の素質を顕す、郭襄。

<郭襄の魅力を満載したMV>

 

 

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